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7/17/2008 [2008年07月17日(木)]



何も言うことがないんだよ


ということを


誰かに伝えたくなるのは



何故だろう



こんなにも話して


何一つ


言えないのは


Posted at 00:51 | この記事のURL | Clip!!
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6/23/2008 [2008年06月23日(月)]



言葉の中にはxが入っている

君が伝えたいのは

君が解かせたいのは

1+x=x

という公式



人間は

本当は言葉では何も伝えられないと

みな誰もが知っている

だから言葉を交わすのだ

そして

だから黙ってしまう



すべての出産と

すべての殺人を終えて

もういいんだと

君はつぶやく



紅茶をいれることくらいしか

ぼくにはできない

から

せめて檸檬を

添えようか


Posted at 01:24 | この記事のURL | Clip!!
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6/11/2008 [2008年06月11日(水)]
 5月26日。今朝は時ならぬ雨にやられていた。わたしは鬱蒼とした眠気まなこを見慣れた天井に向けた。昨晩寝る前にベランダで煙草を吹かしていたときには、大気はまだ緩やかに残り少ない4月半ばの生易しい冷気を含んでいたように感じられたのだが、今日はどうやらもう、すっかりと梅雨前らしい。
内側にびっしりとこびり付いた湿気と寝汗を振り払うように布団を蹴りのける。そこまではいいのだがそこからが続かない。勢いこれよしと右肩をベッドから離すがそのまま掃除用ロールかなにかのようにクルッと半回転してうつ伏せに寝そべる形になる。それを何回も繰り返してしまう。惰眠をむさぼりたい欲求と体全体を取り巻くじめったさへの苛立ちのあいだで、それが幾度もわたしを掃除用具にさせていた。
4、5度目かの回転を終え、うつ伏せに落ち着いたところで玄関の呼び鈴が耳をつん剥いた。わたしがそうこうしているうちにカーテンの隙間から部屋を切り取る光の角度の深さはすでに午後の様子を呈していた。枕にうずめた顔の僅かに覗く口の端が微動して、深いため息がこぼれた。
 「あぁ、静恵さん。」
おはようございます、と頭をかきながらあくびで開きっぱなしの口から挨拶をひねり出す。
「おはようございますって今もう1時だけど?あなたが指定した店で1時間もまったんだけど?携帯、15回は鳴らしたと思うけど?」
「サイレント設定の上に枕の下に追いやってたんで。すみません。・・・できてますよ。」
わたしは相変わらず整理の行き届いた部屋ね、という静恵の厭味を聞き流しながら玄関廊下に散らかった衣類を足で払いのける。静恵は足場が充分に足りるのを玄関で待ちつつ、自分を一時間も待たせたことに対する不満をわたし自身への小言に繋げた。
「いいかげん表札くらいつけたらどうなの?ここ、わかりづらいったら・・・」
「小学校2年のときから名札つけるの嫌いだったんですよ、おれ。なんででしょうね」
「さぁ、知らないわよ。まぁなんとなく長久保君らしい気はするけど」
わたしは衣類を片付けていた足を一瞬止めて彼女を向き、怪訝そうな口調で、そうですか、と呟いた。静恵はしまった、というよりはまたやってしまった、というような表情を見せた。
「なんとなくよ、なんとなく。ほら、ちゃっちゃと――」
「もう大丈夫ですよ。」
静恵の言葉を遮ってわたしはどうぞといいながら彼女が通るための廊下半分ぶんのスペースを肩をずらして空けてやる。はいはいという溜め息まじりの静恵の小さな声が狭い廊下を通っていった。

 わたしの借宿は吉祥寺の中道通を一本小路に入ったところにある。築何年なのか、契約のときに一通り書類に目を通しただけなのではっきりとは覚えていないが、錆びれ具合と整い具合からみて恐らく12、3年と言ったところだろう。2階建てで横並びに長く、わたしはその2階の一番左奥に住所を構えていた。表札をつけないことに特別意味はなかった。ただ今更面倒くさいというだけだった。
冷蔵庫から缶コーヒーを2本取り出し、一本を彼女にわたしてわたしはマットレスしかないベッドに腰掛けた。1DKのこの部屋に椅子などという小洒落たものはない。ベッドに部屋の3分の1は占有されていてその隣に小さなテーブルがひとつ。テーブルを挟むようにして小型テレビがパ・リーグ中継を流している。どれもみな腰の高さは超えない水準に配置されていた。彼女は散らかった棚の中から座布団を漁り出してそれを適当に床へ放り投げ座った。
まったく、と静恵は切り出した。
「自分の原稿くらい自分でもっていきなさいよ。わたし、別に宅配屋じゃないわ」
「すみません、でも神保町ですよね。遠くて。それになんだか好きにもなれないところです」
「乗り換えが面倒くさいだけでしょ。あなた中央線一本で行けるところ以外とんと行きたがらないんだから」
「今日は月曜ですよ。乗り換えなんてするもんじゃないです。」
静恵は小さく溜め息をつきながら腰をあげた。それだけでわたしには彼女がカーテンを開けて換気するつもりなのだろうということが伝わった。玄関にいたときからおそらく部屋の湿気にしかめっ面をしていたようだった。
再び彼女が床に腰を下ろしたとき、黒のタイツを履いているのが目にとまった。
「今日は?」
と訊ねてみた。
「生理よ」
と軽い答えがきた。
開けられたカーテンの外の空に目を移した。雨は止んでいた。静恵が微動すると嗅ぎなれたの香水の匂いが立ちこめた。止んでしまった雨の匂いのようだった。
「締め切りの度にいちいち使いに寄越さないで。わたしだって暇じゃないんだから」
「嫌々っていう感じはしませんけどね」
「・・・今日は生理だって言ったでしょう。とにかくたまには自分で持っていきなさいよ」
「今日は月曜ですから」
わかったわよ、そういいながら静恵はわたしが仕上げた原稿を鞄に入れ、代わりに書類を数枚出して机の上に放り投げた。
「次の締め切りは3日後ね。あ、あとこれ、わたしの。600字くらいでまとめて。これ・・・は明日までなんだけど、わたし今日これから取材を3つ入れてるの。ちょっときついから適当によろしく。」
「何時から?」
「3時」
「俺に12時に会う約束をしといて?」
「そうよ」
「3時間も一緒に缶コーヒー飲んでるだけのつもりだった?」
「別に」
「・・・生理ねぇ」
「そうよ、しつこいわね。今日はもう帰るわ。じゃよろしくね」
ドアが半閉まりのままハイヒールの音が遠ざかった。
相変わらずだなと思いながら、わたしは玄関のドアを閉めるために腰を上げた。
 
 しばらく日ハム×ロッテ戦をみたあと、昼食の買い出しのためわたしは家を出た。ことさら午後の中途半端な時間のためしっかりとした食事をとる気にはなれなかった。わたしは歩いて2分とかからない中道通りのセブンイレブンへ向かうことにした。
月曜の午後だ。いよいよ高さを上げていく太陽もまばらな人通りもたまに低速で通り過ぎていく車のガソリンの匂いまで、すべてが胸糞悪かった。いったいこの世の中には月曜をいい気分で迎えている人間がどれほどいるというのか。10分の1未満、いやもっと少ないかもしれない。なんだって日曜ってやつは終わってしまうのか、労働に駆り出されていく人々の背中はわたしに絶え間ない閉塞感を覚えさせる。それが少しばかり伸ばされたものでもだ。
わたしは2年前まで留学していた上海の人たちの顔を思い出した。排ガスで汚染された空気。ところどころで土埃をあげる舗装されきっていない道路。すれ違う人すれ違う人、皆それぞれ疲れていたり不機嫌そうな表情を晒した。そこにちょうどこの時期には道ばたで売り残れた果物の腐敗臭が混じり始める。悪くない光景だ。浮かない面持ちには荒れた景色がよく似合う。いまわたしがすれ違っているこんな窮屈そうな顔たちがなぜ完璧なコンクリートの上をいそいそと闊歩しているのか。それがますますわたしをイライラさせた。
外回りの営業も、道路の舗装業者も、太陽も、いますぐ全員前にでてこい、ぶっとばしてやる。
そんな気分でコンビニまでの2分を歩いた。
Posted at 00:36 | この記事のURL | Clip!!
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1/31/2008 [2008年01月31日(木)]
雨が降っている

昨日も

今日も

相も変わらず





友人と飲んだ帰り


緑の煙草に赤を垂らして

向こうからやってくる

黄色い長靴たちを雨の

傘のなかから見つめる

それはとてもとても小さく

軽やかで

少し立ち止まってしまう





いつから自分の靴の中は

こんなにも濡れてしまっていたのだろうか





家を出たときを思い出す

濡れていない


友人と待ち合わせていた時を思い出す

濡れていない


別れた後の帰り道を思い出す

濡れていない



少し怪しげな空模様を疑って


見上げたことを思い出す







濡れていた










黄色い長靴たちが


通り過ぎていった
Posted at 09:43 | この記事のURL | Clip!!
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1/21/2008 [2008年01月21日(月)]
音にしよう。

たとえば、宇宙を。
言葉を図形で描こう。
ところがそう思った矢先、
おれはサイケデリックではない夕日を見て、欠伸を一つした。



現実にはよくあることが、その現実ではほとんど起こらない。
今年の冬はいつもと変わらずに寒いし、
妻はあまりヒステリーを起こさない。怒りさえしない。
昨日も、今日も、たぶん、明日も。
明日もコートは厚めのやつで問題ないことだろう。

さしもの月でさえ今夜はその弧を描かない。
満ちるか、消えるか。



重力を敷き詰めた絨毯のその下で、
空の上を走る鉱脈よりも冷たい水を飲みたい。

この世を全てひっくるめたような糸瓜を摘んで、
その種を大地に蒔いてみたい。

身体は穏やか。
しかしどこかに激情を抱えている。
猛る渦潮、夕焼けの赤よりも暗い興奮に沈んだ動脈。

水は流れない。
時が流れているだけだ。

まるで自分が夜の心臓になった気分だ。



俺は何故書いていた。
なにかを伝えるためか。自分が救われるためか。
見栄か。自尊か。虚心、傲慢、貞潔、懈怠、羞恥。いずれかのためか。
もしくはすべてのため?
いや、今となっては最早どうでもいいことのように思える。



読んで一分後には破り捨てられる運命の懇書。
それでも生きていくためには乙女らは泥だらけの指で
今日も筆を執るだろうさ。



ほら、
朝日だ。














Posted at 03:08 | この記事のURL | Clip!!
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12/1/2007 [2007年12月01日(土)]
目覚ましが鳴って
傘を開く音が玄関のほうから聞こえたら


隣人よ

今朝はどうにも気分が優れない。
それは昨日あまりにも飲みすぎたせいだろうか。


未踏の地へ
 アマゾン
  ここでは何もかもが類であるかのように明滅を繰り返す
   君のオカリナを叩き割ったら
    無数の蛇が一瞬にして地面より沸き出でて
     僕のタバコに火をつけてくれた

薪で作ったかき氷はたちまちに焼かれた


隣人よ

カメラも向けていないのに立ち止まったまま
薄く微笑んで、そして笑う
雨が降ると
一歩

冬も越せないほどの別れ声

黒い豆の匂いを咲かせて

隣人よ

小さな電球を繋げて走らせたら


隣人よ

今朝はどうにも気分が優れない。
それは昨日あまりにも飲みすぎたせいだろうか。


「黄色い線の内側までお下がりください」
  アナウンスが響く
   どちらが内側かわからなかっただけだのに
    君は大勢に手を掴まれながら受ける叱咤激励
      
どうやら、どうやらそれが内側らしい


隣人よ

雨に濡れた駅のホームで
こんな話を信じているうちに
まだ次の月は一回りせず
弧を描く下眼球は
ギョロギョロと辺りを見回す

そうして今
 黄色の線一本を隔てて自分の横に降る雨は
  一粒残らず全て誰かのせいなのだ
   苛立ってしまうほどに弱弱しい
    一つの粒子すら
     想像よりは遥かに
      粘りっこく
       逆撫でされた神経を
        逆撫でするかのように
         今はただ何もかもが
          騒々しく只管で



隣人よ


いつの間にか僕は

そろそろ出かける時間らしい
Posted at 07:21 | この記事のURL | Clip!!
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11/21/2007 [2007年11月21日(水)]




日の出から夕暮れまでの
あらゆる太陽に煮えたぎる花々
収穫祭を謳う東大西洋の海風に

校舎の屋上からヒマラヤ山頂を駆け抜ける
ヤクたちの鈴が呼応したら





空想と幻想を現に
科学を用いず
半身は孤独となって

両の膝についてはその関節は柔らかく
性器も脳もすべては軟骨
滑らかに尖った左目が
右目を映したら





それらの一切はよくあるご質問
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写真
日記
メッセージ
コミュニティー
フォトアルバム
足あと

ヤクたちの
日の出
夕暮れと
大西洋
左目
右目





30cmだけ存在する定規






Posted at 20:09 | この記事のURL | Clip!!
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10/31/2007 [2007年10月31日(水)]
以前マイミクだった幹さん(すでに退会)が
「阪神優勝の日」という詩の中で

コンクリートとアスファルトに意味を見出すまで
おれはポイ捨てを続けるだろう

と綴っていた。


1ヶ月ほど前、
友人の家に向かう途中ふかし終えた煙草をいつものように道端に捨てた。
コンクリートに。


野良ネコが一匹近づいてきて脚の周りをうろちょろとした。
いつものくせで鳴き真似をひとつした。
ネコは俺の吸殻を見てにおいを嗅いでいた。
この団地の猫はほとんど顔を知っているがどうやら新顔のようだった。


しばらく撫でているうちに思った。
この子が間違えて吸殻を飲み込んだらどうなるんだろう、
犬には及ばずとも人間の数十万倍の嗅覚をもつネコなら
まずないことかもしれないが、それでも今俺の目の前でこの子がそれをやったら、と。


その日以降、俺はポイ捨てを止めた。


幹さんが言いたかったのはもちろんこういうことではないだろう。
コンクリートとアスファルト、
つまり人間については俺は一生その意味を見出せないかもしれない。


でも俺はコンクリートとアスファルトの道に
吸殻を捨てないだけの意味を見出した。


もう見れないだろうけどお礼が言いたい。
ありがとう。
Posted at 18:54 | この記事のURL | Clip!!
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10/18/2007 [2007年10月18日(木)]
秋夢


秋陽高低無煩困

草木浪浪只向風

听我如何瞬一凪

从后来到彷十夢















秋陽高きも低きも眠りを妨げず、
 草木は浪々としてただ風に向かうのみ。
  一凪の瞬く間に私の如何を尋ねようとも、
   すぐに十に彷徨う夢が背後から私を連れ去ってゆく。
Posted at 03:12 | この記事のURL | Clip!!
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9/20/2007 [2007年10月18日(木)]
風の強い日にカーテンは物騒



頭の左側がキンキン痛むと俺は言う 
偏頭痛ですねと医者は言う

医者にどういった具合ですかときかれて上手く伝わらない時
日本国のパスポートを持つべきは俺かその医者か



左側から右腕で胸倉を捕まれたら勢いの良い喧嘩が始まるだろう

左腕で掴んでくるやつは本気じゃない



「上海はすごいよね、発展がもう、こう」
こう、どうやねんと思いながら既に10回は繰り返したであろう会話をする というより作業をする

「僕もね、上海行ったことあるんだけどすごいよね、あそこは」
「高度経済成長期の日本みたいなもんですからね」
「今に東京は追い抜かれるよ、上海に」
「そうですね」
「まるでね、高度経済成長期の頃の日本を見てるようだよ」
「・・・そうなんですか」

患者と前回どんな会話をしたかなんていちいち覚えてられないだろう 俺もなにも覚えていなかったかのようにうなずいたり
微笑んだりする



「・・・よね日本は。・・・じゃ、とりあえず前回と同じ薬出しておきますね」
「はい、ありがとうございます」



高度経済成長片頭痛がとりあえずのカルテをとりあえず書いている間しばらく窓の外の雲を見る



右側でカーテンが揺れている
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